前の記事で「Nikon Z6」を選んだ理由について書きましたが、カメラ本体だけでは写真は撮れません。よってレンズも選ぶ必要があります。
特にNikonのズームレンズはいろいろあって迷いますよね。
僕もかなり迷いました。
そんな中、特に迷った2本である
・z24-120mm f/4 S
・z24-200mm f/4-6.3 VR
について比較をするとともに、なぜが僕が24-120mmの方を選んだかを綴っていきたいと思います。
登山で使うならやっぱり便利ズーム
そもそもなんですが、単にレンズと言ってもいろいろ種類がある訳です。
・いろんな画角を使えるズームレンズ
・優れた描写力やボケを作り出せるが画角が固定されている単焦点レンズ
・小さな被写体を大きく映せるマクロレンズ
など色々な種類のレンズがあります。
そんな中、登山などで使う風景写真に使うレンズはズームレンズが便利で使いやすいです。
目の前の景色を広角でダイナミックに撮ったり、少し離れた場所にいる動物を望遠で撮ったりなど、1本あれば様々なシチュエーションでの撮影が可能になるからですね。
そしてそのズームレンズの中で、幅広い画角に対応できる便利ズームというものが文字通り便利です。
特に登山ではレンズ交換の手間が必要なくなりますので、荷物を減らせるという事にもなります。
NikonのZレンズからは24-120mmと24-200mmが便利ズームにあたりますので、今回はこの2本から選んだという事ですね。
24-120mm と 24-200mm の違い
さてではこの2本がどう違うのかを見て行きたいと思います。
参考 ニコン公式ページ
価格
実売価格
・24-120mm 新品:15万円 中古:新しいため出回ってない
・24-200mm 新品:11.5万円 中古:10万円
となっています。(2022年4月時点)
中古でも抵抗が無いのなら24-200mmの方が5万円も安く買えますので、差額でちょっと良いフィルターを購入したり、他の安いレンズを買ったりできますね。
24-120mmは発売して間もないという所もありますが、それなりに大きな差となります。
焦点距離
これはレンズの名前通りにはなります。
どちらも24mmから始まって、120mmまでと200mmのまでの違いになり、80mmの差があります。
これを80mm「も」と捉えるか「しか」と捉えるかではありますね。
ただ、焦点距離が足りないのなら自分が動けばいいとよく言われますが、登山中はそれが難しいと感じます。
というのも、映したい被写体に近づくことが難しかったりしますし、仮に近づけてもそこまで行くのに体力を消耗しますし時間もかかります。
もちろんそんな余裕の無いタイトな計画を立てるべきではありませんが、体力と時間の消費は登山中においてリスクになりますので、それを焦点距離でカバーできるのであれば一考に値すると考えます。
レンズコーティング
どちらにも逆光に強い「アルネオコート」が施されており、24-120mmの方にはさらに「ナノクリスタルコート」も施されているとの事。
…ぶっちゃけ原理とかよくわからないけど、24-120mmの方が逆光に強いって事らしい。
逆光に強いのは登山中だと結構助かる部分が多いですね。
というのも、被写体を動かすことはもちろん、太陽のが動くのを待つなんて悠長なことは言ってられませんからねw
レンズの方で制御してくれるならありがたいですね。
ちなみに逆光対策はフィルターもしっかり考えないと意味が無いらしいぞ!(3敗)
解放絞り値(F値)
これも名前に書いてありますね。
・24-120mm
ズーム全域でF4。いわゆる小三元レンズ。
・24-200mm
24mmF4 から焦点距離とともに増えていき80mmでF6.3になってそこから200mmまでF6.3
24-200は結構暗いレンズになってしまいますね。昼間の明るい場所なら問題ありませんが、森の薄暗い場所や、日の出日の入りの時間帯なんかはちょっと厳しそうです。
とはいえ、24-120mmも劇的に良いわけではありませんが、それでも全域F4なら安定して撮影ができるかと思われます。
大きさと重さ
(太さ)×(長さ) (重さ)
・24-120mm 84mm × 118mm 630g
・24-200mm 76.5mm × 114mm 570g
数字を見る感じ24-200mmの方が若干スリムですね。登山をする上で軽くて小さいことはとてもありがたいです。ですがこれだと大した差ではない気もします。
最短撮影距離
被写体にピントの合う最も近い距離で、センサーから被写体までの距離。
・24-120mm
ズーム全域で35cm。
・24-200mm
24mmで50cm。そこから焦点距離とともに増えていき、200mmで70cm。
24-200mmは割と寄れないですね。よく言われるのが、「テーブルフォトの時に立ち上がらないと撮れない」なんて聞きます。という事はテントの全室で料理して、それを写真に撮るときに少しめんどくさそうだなぁなんて思いました。
最大撮影倍率
ざっくりいうとどれだけ大きく撮影できるか。1.00倍が一番高い数字。
・24-120mm 0.39倍
・24-200mm 0.28倍
標準ズームの基準ならおよそ0.4倍はそこそこ頑張っている方との事。24-120mmはそこそこ大きく映せるという事になりますね。
描写力(S-LINEレンズ)
Zレンズの中でもさらに高品質なレンズに与えられる称号です。S-LINEレンズはZレンズの中でもエリートと言えますね。
残念ながら24-200mmにはS-LINEの称号はついてませんが、24-120mmにはこの称号がついてます。
つまり24-120mmはNikonから「このレンズいいレンズだぜ!」と言われているわけですね。
じゃあ何が良いんだってばよ?という話ですが、一番分かりやすいのが描写力ですね。
つまり、S-LINEレンズで撮影するとバッキバキに描写されますよと言うことです。
風景写真をズームすることはそうありませんが、撮影した写真がすごくよく描写されているとなんだかうれしくなりますね。
とは言え、撮った写真をそのまま1枚の絵としてみたときに、そこまで差がわかるポイントではないのかなと思います。
手振れ補正
レンズ自体に手振れ補正が付いているかどうかですね。名前にもありますが「VR」がその称号になります。
・24-120mm 手振れ補正なし
・24-200mm 5.0段分の手振れ補正あり
カメラ本体に手振れ補正機能があると、レンズの手振れ補正機能はそこまで大きなメリットにはならないかもしれません。逆にカメラに手振れ補正機能がないのなら、かなりの恩恵になりますね。
ちなみに登山してるとどうしても疲れます。そんなときに映したいものがあってカメラを構えると手が震えやすいです。その震えを少しでも補正するために、24-200mmにするのもいいのかもしれません。
24-120mmを選んだ決め手
とまぁ一通り違いを確認して、それらを考慮して選んだのが24-120mmでした。
特に、
・逆光耐性
・絞り値
・最大撮影倍率
の3点がイイなと感じて選びました。
・逆光耐性
撮りたいと思った方向に太陽のあることが多いと感じだ為、レンズで抑えてくれるなら楽だなと。
・絞り値
朝の暗い時間から登ることが多いので、少しでも明るいレンズの方がいいなと。大三元は値段が。
・最大撮影倍率
高山植物をダイナミックに撮りたいなと。
逆に他の要素はまぁいいかと妥協できた部分でした。
・価格
もともとどちらも予算内なのでまぁ大丈夫かな。
・焦点距離
DXクロップすれば180mmまで対応してくれますしなんとかなるかなと思いました。
まぁ200mmだとクロップで300mmまで対応してくれるんですが、そこまでの距離をあんまり使った覚え無いなぁって感じですね。
・大きさと重さ
まぁ誤差だなと思いました。(買ってみて思ったよりでかくて重いなと思ったのは内緒)
・最短撮影距離
近すぎて撮れないならiPhoneでよくね?って感じだったのでどっちでも問題なし。
・描写力
作例を見ると24-120の方がきれいなんですが、24-200でも十分だなぁと思います。
・手振れ補正
ボディにあるので大丈夫!
と言った感じです。
どちらも素晴らしいレンズ
今回僕が選んだのは24-120mmの方でしたが、おそらく24-200mmを選んでも同じぐらい満足したんじゃないかなと思います。なら5万安い方が良かったよね。
そのくらいこの2本は素晴らしいレンズだと思っています。
スペックでの違いを見て、大した違いじゃないよなぁと思っていた部分もいざ使ってみると、結構いいなと思う事も多いです。
24-120mmを使ってて、描写力ではS-LINEスゲー!って思う事ありますし、最短撮影距離なんかではやっぱり寄れるって便利だなぁとも思います。
逆に24-200mmを使っていたら、200mmまでの焦点距離便利だなぁと思うでしょうし、コンパクトで持ち運びしやすくて良いと思う事もあると思います。24-200mmを使うと便利すぎて他を使えないなんて話も聞きますしね。
まとめ
それでも決して安くない買い物になりますので、失敗はしたくないです。
しかも僕の場合は登山で使用するという比較的タイトな環境での使用になりますし、あまり多くレンズを持っていくと荷物になりますので、自分にとって最高の一本を選びたかったというのもあります。
現状かなり満足していますし、登山以外でカメラを持ち出して写真を撮ることも増えました。構図なんかも意識して撮影するようになりましたし、写真を撮ることを楽しんでいます。
24-120mmと24-200mmのどちらにしようか悩まれてる方に少しでも参考になれば幸いです。